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「科研費の執行に関わる研究者への緊急アンケート」集計結果

Questionnaire Results
on COVID-19 and KAKENHI

東京外国語大学AA研の海外学術調査フォーラム事務局では、新型コロナ・ウィルス感染症の影響で、本年度の科研費の執行で様々な困難を抱えている研究者を対象としたアンケート調査を実施しました。

本フォーラムでは、毎年、日本学術振興会の科研費担当者をお招きし、科研費の執行に関わる研究者との意見交換の場を設けてきました。特に本年度は、コロナ・ウィルス問題で科研費執行の見通しが立たず、その対応に関連して当事務局にも様々な要望が寄せられていることから、海外調査に関わる科研代表者へのアンケート調査を行い、日本学術振興会への報告書としてとりまとめる事になったものです。今回のアンケートは、科研費の基金化などの特定の施策を直ちに要望するものではありませんが、その方針を検討するためにも欠かせない、海外調査に関わる研究者の多様な現場での声を集積することを目的に企画されています。

アンケートの対象者は、これまで本フォーラムが主な対象としてきた、科研・基盤A/Bの2019年度、2020年度の新規採択課題代表者、旧科研・基盤A/B(海外調査)で継続中の研究代表者、及び国際共同研究強化(B)の2019年度、2020年度の研究代表者等とし、特に海外調査に関わる分野を選択し、6月27日を期限として実施しました。

1. 回答結果の概要

質問1「新型コロナ感染症への対応で本年度の科研費の執行には問題を抱えている」

質問1:アンンケート結果
本アンケートは、上記の科研費の代表者1263名に発送し、113名より有効回答を得ました。その内容は、報告書にまとめて公開し、日本学術振興会に提出の予定ですが、自由記述の回答内容の編集には時間がかかるため、ここでは速報版を公開しています。特に、質問1「新型コロナ感染症への対応で本年度の科研費の執行には問題を抱えている」については、以下のように、96.5%(109名)の研究者が問題を抱えているという結果となりました。
- はい
:109人(96.5%)
- いいえ
:3人(2.7%)
- まだ、言えない
:1人(0.9%)

2. 本年度の科研費執行への対応について

質問3「実施が困難となった調査や研究会について、どのような対応を検討していますか」

質問3:アンケート結果
計画していた海外調査や会合の開催が困難となり、本年度の科研費の執行で検討されている対応策については、以下のように、(1)「来年度への繰越手続を検討している」が66.4%、(2)「日程を変更して年度末までに実施する」が33.6%、(3)「特に対応はせず余った予算は返納する」が3.5%となりました。自由記述の(4)「その他」についても、コロナ感染症の今後の状況を見て、やはり繰り越し等を検討するという回答が多くみられました。
- 繰越手続を検討
75件(66.4%, 113人中)
- 年度末までに実施
38件(33.6%)
- 特に対応はせず
4件(3.5%)
- その他(自由記述)
24件(21.2%)
合計のべ141件(含複数回答)

科研費ごとの内訳では、年度内の執行を原則とする補助金による基盤A/B(全92件)では、(1)「来年度への繰越」が70.7%(65件)、(2)「年度末までに実施」が40.2%(37件)、(3)「特に対応はせず」が4.3%(4件)となり、基金化されている国際B(全26件)については、特にその他の回答欄で、研究期間の延長を検討しているものが、36.8%(7件、重複回答の7件を除く)みられました。

3. 最終報告書のとりまとめ

アンケートでは、以下の4つの質問を設けており、上記の集計値は、特に質問1と質問3に関わるものとなります。その他、様々な分野の研究者による、本年度の科研費の執行に際しての問題点や個別の対応策、及び、日本学術振興会への要望などの自由記述の内容については、最終報告書として編集作業を進め、以下に公開しております。
質問1「新型コロナ感染症への対応で本年度の科研費の執行には問題を抱えている」
「はい」、「いいえ」、「その他」からの選択
質問2「具体的な問題点についてご記入ください」
自由記述の回答欄
質問3「実施が困難となった調査や研究会について、どのような対応を検討していますか」
「来年度への繰越手続を検討している」
「日程を変更して年度末までに実施する」
「特に対応はせず余った予算は返納する」
「その他」(自由記述の回答欄)
質問4「日本学術振興会への要望があればご記入ください」
自由記述の回答欄